職人ブログ

玄翁

こんにちは!

今日は私たちの商売道具についてお話したいと思います。
私たちの使う道具には百年前から変わらないものから、最新の工具までさまざまな道具を使い分けていますが、まずは何よりも一番使う道具、「玄翁(げんのう)」についてご紹介します。
玄翁と言ってもわからない方も多いかと思いますが、いわゆる「かなづち」や「トンカチ」ですね。
ではこの「玄翁」という呼び方は、どこから来ているのでしょう?
実は、玄翁和尚(源翁心昭)というお坊さんの名前に由来しているそうです。
大工道具がなぜお坊さんの名前に由来しているのかちょっと不思議ですよね。
そこでちょっと調べてみました。
すると驚くことに、これには世にも奇妙な物語がありましたので、ちょっとだけご紹介しますね。

玉藻前の伝説

時は平安時代後期、玉藻前(たまものまえ)という女性がいたそうです。それはそれは美しく賢い女性で、その美貌と博識から鳥羽上皇に寵愛されたそうです。
しかしその後、鳥羽上皇は徐々に重い病に冒されてしまったそうです。その原因がなんとこの玉藻前だったんですね。
実はこの絶世の美女、なんと狐の妖怪だったんです。陰陽師にその正体を暴かれた玉藻前はすぐに行方をくらましますが、間もなく武士に見つかり討伐されてしまします。
成敗されて石となった玉藻前ですが、その怨念からか近づく人間や動物等の命を奪う殺生石と化し、人々を恐れさせたそうです。
そこに登場するのが玄翁和尚です。
なんと持っていたかなづちでその殺生石を砕き割ってしまいます。しかしそこはお坊さん、ちゃんと玉藻前の怨霊を鎮め、めでたしめでたし…というお話でした。
「玄翁」はそのお坊さんが妖怪退治をしたことに由来しているんですね。
私たちが日頃使っているこの道具に、こんなストーリーがあったとは驚きです。

だいぶ話が長くなりましたが、暑い夏の夜に少しは涼しくなっていただけましたでしょうか?
では!

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